枯木に囲まれた私の山小屋
心なき身にも哀れは知られけり
鴫たつ沢の秋の夕暮れ
西行法師
心なき身とは、俗世の心を捨てたの意味。
俗世を捨てて出家した(仏門に入ること)私にも
生きる事の無情さが身に沁みる。
鴫(野鳥シギ)が沢を飛び立つ秋の夕暮れ
と古典「新古今和歌集」で西行法師が詠う。
若い頃から好きだった西行の和歌。
やっと、その意味が深く理解出来る歳になった。
出家した西行ですら心を乱す秋の夕暮れ。
まして、都会での生活を捨て去ったとは言え
俗世に生きる未熟な私、
煩悩に苛まれるのは当然なのだ。
今、現代の言葉で私が書けば
こんな感じになる。
秋の夕暮れ
冷えた心をかき乱すように
葉を落とした樹々の枝が無数の線を鋭く描く
ピーイ~ ピュ・ピュ・ピュ
静まり返った森に響く 鴫の鳴く声が
忍び寄る闇を告げる
ああ、なんと無意味に過ぎて行った日々
なんと言う 愚かだった日々・・・
敬治
2 comments:
お世話になった地元の俳人の、この句が思い浮かびました。
去るものは去りまた充ちて秋の空
龍太
なかなか味わい深い一句ですね〜
達観の境地とは
このような心の平穏を言うのでしょうね。
素晴らしい俳句を有り難うございました。
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