2011/11/01

James Lock & Co.からカタログが届いた。



毎年一回、この季節になると遠慮がちに送られて来る
ロンドンのジエームス・ロックのカタログ。
広告を氾濫させ看板が街の美観を壊そうと平気な日本にいると
こんなに慎み深く節度を大切にする企業姿勢には共感し
不要でも何かをオーダーしたくなってしまう。

紳士物はまったく流行などを感じさせない風情で
毎年変わり映えしない定番の商品構成だが、
さすがに婦人物は流行を加味した華やかなデザインが溢れ
また若者向けにLock & Rollと名付けたラインも
新たに加わっている。

特に、今年のカタログで考えさせられたのは、
かなり高齢で白髪のモデルを起用していることである。
1676年創業以来(日本では江戸時代初期)
300年以上もの由緒を誇るジエームス・ロックならではの
この老人モデルの起用は何を意味するのだろう。
商売の為なら何でもする多くの企業の拝金主義に対する
アンティテーゼなのかも知れない。

白髪のモデルは少し恐いイメージが無いでも無いが、
胸ポケットに差したベッコウの眼鏡が「粋」だ。


...

7 comments:

がらくた親父 said...

老人??初老と表現し、敬意を払いつつ、パンツを見れば、ジーンズではないか??
先日、孫の運動会に、同輩の親父がジーンズを履いていた。
リーバイスの505.

やるじゃないか!!同輩。
思わず、嬉しくなった。

pepekeiji said...

僕らコチコチだった古い”VAN”世代のアイビーは、
絶対にジーンズは身に付けないんですよ。
厳密にはピーコートでは無くダッフルコート。
バーゲンばかりして大衆化したとは言え、
NYのブルックスブラザーズ、
今でもジーンズを扱っていませんね〜

がらくた親父 said...

keiji大兄
この掲載された画像の白髪の老人ですが、パンツはジーンズだと思いますが、ご意見拝聴したく。

がらくた親父 said...

大変失礼しました。
英国でしたね・・・米国の金鉱掘りの労働着などは、想定外でした。

pepekeiji said...

白髪老人はブラックスーツでタイを外した姿です。
他の頁には、黒檀に銀のグリップのケーン(杖)を持っています。

かって日本軍も将校はオーダーメードの軍服、兵隊は支給品でした。
また、ドイツ軍の将校は絶対に鉄カブトを被りません。
兵隊達に臆病者と思わせないリーダーシップのためでした。
アメリカ映画のドイツ将校はヘルメットを被っていますが、
あれはイラクのフセインが穴に隠れていた卑怯者と言う
イメージ戦略の手法と同じ手口です。

有名な戦前の名画「大いなる幻影」に登場する連合軍将校は、
捕虜収容所内で毎朝髭を剃り、白手袋を洗って身につけます。
一方、兵隊のジャンギャバンは無精髭姿で対比しています。
太平洋戦争でも国際法で収容所で将校と兵隊は違う待遇でした。

そこに”ノブレス・オブリージュ”の精神が生まれるのでしょう。
社会の「平等・公平」を第一義に掲げた日本の現状が、
社会集団に必要なルールとは何かを語っています。

服装に付いて、NY在住の日本人デザイナーが語っています。
一読をお勧めします。
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/2503504.html

s-geru said...

ヴェトロでの優しいご配慮感激致しました、有難うございました。人間も車も新しい物は性能も良く機能的であるが、味が無く私は好きになれません、人間も車も歴史、由緒あるものは、年月が経つほど、味、風格、気品が出て魅力一杯です。流石由緒あるジェームス ロックならではのモデル起用だと、私は理解しました。本当に渋くセクシーでカッコいいです。新車、若者ではこの味は出せません。keijiさんに初めてお会いし味イメージがだぶるので驚きました。

pepekeiji said...

s-geruさん。

雨の中、高野山までお出掛け下さって感激いたしました。
バタバタしていて何もお構い出来ず申訳ありませんでした。

素晴らしいダメージ状態のジーンズを召されたs-geruさんのお姿。
さすが、元VANジャケット勤務!ダンディさに感心しました。
次回は、学生時代からお乗りのビートルを拝見させて下さい。
有り難うございました。

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