安物だが、美意識無しには生まれ得ない形。

材質や工作精度は価格相応だったが、
軽さ、サイズ、シェイプなど私の好みだから
顔が写るほどピカピカに磨き上げて

このパイプばかり使っている。

銀製だと思っていたスピゴットは金属で、

ホールマークを模した３つの四角は装飾だった。

唯一、安っぽくて不満な箇所だ。

スピゴットを抜く時ステム側の金具が残り
マウスピースだけが抜ける欠陥もある。

でも、ブレビアの菱形マークは型押しでは無く

手の掛かった真鍮製の象嵌だった。

そんな事はどうでも良い。

細いステムとシャンクの長さをバランスさせて

細く小さなスピゴットで繋ぎ、

クラシック・シェイプの平凡なビリヤードを

優美な印象に変身させている。

さり気ないが洗練された繊細な美学。
それは、生まれつきの感覚や育った環境からの
美意識無しには生まれ得ない造形だ。