2014/09/13

モノが醸し出す歴史、それは自身で作らなければ意味が無い。

1960年代初頭のカタログに紹介されているモデルと
同じパイプがオークションに出ていた。
そして、幸運にも落札出来た。
Vitage Comoy's "Blue Reband" Shape 182
"...elegant and perfectly balanced for easy handling
and comfortable smoking."



喫煙する為ではなく、眺めるためのパイプ。
それを、単なるジャンクと思うか、ヴィンテージと評価するかは、
人それぞれの価値観による。

まだ、世界的に喫煙が盛んだった1960年代。
各パイプメーカーはそれぞれの歴史・技術・品質を競い合い、
素晴らしいパイプを世に送り出していた。

現在、それらのユーズド パイプ(中古パイプ)は市場が存在し、
「エステート パイプ」と呼ばれ売買されている。
特に、厳選された材質と高度な伝統技術で手作りされた
1960年代までの工芸美術的価値を持つパイプは、
ヴィンテージ パイプ として
リファビッシュされ高額で取引されている。

これまで、私は過去に他人が口にした中古パイプなど、
どんなに美術的価値があっても嫌だった。
しかし、リファビッシュされたヴィンテージ パイプを見ると
そんな思いは揺らぐ。
クラシックカーに通じる想いと同じなのだ。
でも、私の性格を良く知る古い友人は
「君には向かない」と言う。

確かにそうだ。
モノが醸し出す歴史は自身で作らなければ意味が無い。
年寄りじみた懐古趣味はもう止めよう。


COMOY'Sのトップ グレード「ブルーリボン」。
その名はイギリス最古のガーター勲章の青いリボンに由来し、
1930年代、イギリスーアメリカ間の
大西洋横断高速客船の競争イベントで勝者に与えられた
"Blue Riband" 賞に因む。

ビリヤード型のボールに粋なサドル ステム。
ボールのストレート グレインと底部のバーズアイに魅せられる。

オークションのエンディング2時間前を知らせるメール。
この"Blue Riband"だけは落札したいと、
私は早起きしてビッド状況をチェックし最高額を高くして待った。
24人のビッダーと競り合ったが、
首尾よく私が落札した。





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