2013/06/06

赤いバラの蕾みに込められた想い。     Robert Mc Cornell "Red Roses"


写真は私が育てていたバラ"Lili Marleen"



バラ好きの私が一度は喫煙してみたかったタバコ、
バラの蕾が詰められた"RED ROSES"。
缶のデザインが気に入らないので今日まで我慢していたが、
やっぱり赤いバラの誘惑には逆らえず注文してしまった。
そして、今日それが配達された。

1848年創業のロンドンの老舗 Robert Mc Cornell
その由緒ある名前は缶に残されているが、 
今ではドイツの Kohlhase 社で造られている。

アメリカのタバコ・レビューには、
バラの蕾みに埋込まれた漆黒のキャベンディッシュと
ブライト・バージニアの完璧なコンポジション。
バラの素晴らしい芳香にキャラメルの香りが加味されて
スモーカーを愛撫する・・・と書かれている。
アベレージ・レイティングではマイルド。
フレーバリングはストロング。
ルームノートは最高に心地良いが、
毎日の喫煙には不向きとのコメントもある。

コールハス社のオフィシャルサイトには、
デンマークのクラシック・フレーバーと書かれている。
Aromatisierung 2/ Starke 1 / Raumnote 2

図表によるとマイルド過ぎる感じがするが、
バラの蕾みに包まれた
デンマークのクラシック・フレーバーが
心地良く部屋中に漂うのだろうと期待して、
缶を開けて匂いを嗅いでみたが想像とは違った。
甘酸っぱい果実の香りとキャラメルの匂い。
バラの芳しい香りなど感じ無かった。
バラの蕾を探したが何処にあるのか解らなかった。
私は期待し過ぎたのかも知れない。
がっかりして私はパイプに火を点けた。
悪くは無い、これはまさしく私の好みだ。
缶を嗅いだ時の印象とはまるで違う。
芳醇な果実の甘さに隠された妖艶なバラの香り
気品に満ちて辺りに漂った・・・


このロバート・マッコネルの”Red roses”は、
私に赤いリリーマルレーンを想い出させる。
リリーマルレーンと名付けられた可愛いバラを
私は植木屋で見付け庭に植えていた。
毎年、リリーマルレーンは真っ赤な花を咲かせ
私を豊かな気分にしてくれた。
しかし、一昨年の冬、私が極寒のケアを怠ったため、
寒さに耐え切れず枯れてしまった。

リリーマルレーンの唄、哀しい唄である。
兵舎の門前のガス灯の下で明日をも知れぬ兵士と
恋人が再会を願う想いを唄っている。
第2次世界大戦の激戦地で毎晩9時57分になると
ドイツ軍放送局から流れたリリーマルレーンの唄。
塹壕の中でドイツ軍、連合国軍を問わず、
兵士達はラジオに耳を傾け、涙したと伝えられる。

今は、戦争を知らない人が多くなっている。
いつの世も、国益を声高に叫ぶ人達により犠牲になるのは、
名も無い純朴な若者達である。

赤いバラ「リリーマルレーン」の作出者コルデスは
どんな想いでこの名を付けたのだろう。
戦場で散った兵士達の赤い血に捧げたかったのだと
私は信じている。



唄はカウント1.45から始まります。



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