2013/02/10

名車ラゴンダに相応しいパイプ、黒いドレス。





朝から晩までパイプにのめり込んで何日目だろう?
今夜のハンバーグ・ステーキがラタキア風味かと思う程、
鼻の周辺にパイプ・タバコの匂いが漂っている。
愛犬ペペは私のパイプがジャーキーにでも見えるのか、
ラタキアの匂いがぺぺの食欲をも刺激するのか、
やたらと私にオヤツを要求してウルサい。
葉巻は何十年もの経験があるから一家言持っているが、
パイプは数日前に始めたばかりの駆け出しだ。

自宅に帰れば若い頃に始めたが面倒で挫折した
古いBBBのパイプやコンパニオンなどがあるからと、
単3の乾電池をダンパー代わりに使っている。
でも、サイズ的には実に使い易い。

銀巻きカナディアンが気に入ったので2本購入した。
練習用に買ったアイリッシュ・アーミーを酷使したので、
葉の詰め具合やダンパーの押さえ方も慣れて来た。
形ちが嫌いなのでダメにしても良いと思っていたが、
軽くて実に使い易いパイプ。
無骨なマウスピース差し込み口も今では可愛く見える。

かってオーストラリアのクラシックカーラリーを
共に戦った1934 Lagonda M45



今日はG.L.Pease オールド・ロンドン・シリーズの
名車「ラゴンダ」の絵が描かれたタバコを味わって感動した。
Old Dog や Squadron Leaderも旨いとは思ったが、
これは何と言う美味さ、もうこの芳香からは逃れられない。
缶に描かれたラゴンダは1935年のル・マン24時間で優勝した
伝説の「1935 Lagonda Rapide M45R 」。
この誇り高い名車ラゴンダに相応しく調合された香りは、
キプロス産の極上ラタキアと熟成させたレッド・バージニア、
さらに最上質で芳醇なオリエントをブレンドし長期熟成させて
少し幅広にリボンカットしたと缶に説明されている。
私には、この調合の意味は理解出来ないが、
ラゴンダのイメージが芳香に加わるからより魅せられる。


犬はアイリッシュセター、酒はアイリッシュウイスキー。
だからパイプもアイルランドのピーターソンに決めた。
パイプのコレクションなど始める気は無いから、
一週間ローテーションの7本を揃えるつもりだった。
でも、名車ラゴンダに相応しいのはダンヒルに思えてくる。
だから一本だけ例外で購入したいと思い始めている。

ネット上でダンヒル・パイプは別格に扱われている。
階級社会の英国でパイプは両手を使わずに喫煙出来るから
労働者の間から普及したと伝えられているのに、
パイプの世界ではダンヒルの歴史は浅いのに、
30年も前からロンドンのダンヒル・ショップには、
日本人客専門の日本人店員を置いていたほど商売上手なのだ。
ロンドンで買物する喜びが消え失せると思うのだが、
こんな商売上手さには、ウンザリする。
猫も杓子もメルセデス・ベンツに乗りたがる様な、
日本人的ブランド志向からだろうと、私は敬遠して来た。
しかし、写真を見ると高品質のオーラーが伝わって来る。
ダンヒル・パイプには格調の高いデザインと
7つの海を制した大英帝国の威厳が脈々と流れている。



葉巻の世界ではダビドフをロールスロイスに例えて崇めるが、
パイプの世界では同じ喫煙なのにダビドフは騒がれない。
それは、愛好家に厳しい選択眼を持つ知的な人が多い証拠だ。
確かに学者や文学者にはパイプ愛好者が多いではないか。

このラゴンダをダンヒルのパイプで味わってみたい。
英国のサイトで見付けたダンヒル・パイプに憧れ始めている
それは銀リングを巻いた小柄な黒いドレス Gr.2
葉巻でもロンズデールまでのサイズしか吸わないように、
大きく重そうなのや創作パイプは嫌いだから、
この黒いドレスを纏った華奢で清楚な姿に魅了される。
葉巻コイーバ2箱分を我慢すれば購入出来るではないか。
いま保存している葉巻200本が終わったら、
もう高価な葉巻は止めて、経済的なパイプだけにすれば良い。
などと、悪魔の誘惑の囁きが聞こえて来る。

しかし、後何年、私はパイプを楽しめるのだろう・・・


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