ダイハツの軽4輪車”ESSE”のコクピットを飾るセイコー鉄道時計。
1970年代、時計マニアの若者に煽てられ買った時計だ。
”SEIKO PRECISION 21JEWELS”
SECOND SETTING JAPAN 6110 - 0010T
1960年代、ラリーで使っていたストップウォッチ・ホルダー。
このホルダーで時計をステアリングホイールに取付ける。
ナビゲーター用にはホイヤーのラリー計器類を取付けるから、
ドライバーの補助用である。
まだ、手回し計算機をナビゲーターが使って、
指定速度に達するまでの数秒の遅れを取戻す速度を瞬時に計算し、
ドライバーに、何キロで走れ!と指示した時代だ。
FIA公認のクラシックカー競技はデジタル計器使用禁止だから、
スイス製"DOLMY"を使っていた。
鉄道時計とは、
複雑な運行時間の正確な遂行を要求される鉄道が
信頼性・操作性・耐久性・視認性などの
厳しい規格により選別し認定された時計を鉄道時計と呼ぶ。
また、同等の精度を持つ時計は
レイルロード・グレードと評価される。
世界各国、それぞれの国の鉄道が認定した
鉄道時計が存在する。
日本の鉄道時計で知られるのは、
収集価値が高い”19セイコー”と呼ばれる鉄道時計。
7~15石、スモールセコンド仕様。
そして、私がダイハツ・エッセに取付けていたのは
1970年代に造られた
手巻き時代の最終モデルとなった
3針21石の鉄道時計である。
先日、ブレゲ腕時計の革ベルトを交換するため
銀座・和光の時計修理コーナーを訪れた時、
カウンターで使われていた
85周年記念限定モデルの鉄道時計。
「懐かしいなあ〜」と私が言ったら、
「クォーツになりましたが、外観は昔と同じです」
と店員は答えた。
1929年、精工舎製19型手巻き懐中時計が
国産初の鉄道時計に指定されて約85年。
外観を変えずに進化を続けた。
昨年、この鉄道時計85周年記念限定モデルがクォーツで、