2011/10/27

木の工具箱を使うメルセデスのメカニック達。



木の工具箱を使って整備するメルセデス・ベンツのメカニック達。
歴史の重みを感じると共に、現代的な新鮮さをも感じてしまう。

今年8月、今は閉鎖されているベルリン・テンペルホーフ国際空港で
開催されたドイツ車誕生125周年記念の祭典での一シーンである。

安っぽい赤や青のプラスチック製品が氾濫する現代の日本も、
室町時代や江戸時代の成熟した美意識や文化を取戻さなければと
この写真を見てつくづく願ってしまった。


ーーー
メカニックの写真手前、1937年の名グランプリ・カーW125。
600馬力を超えるエンジンを持ち、最高速度は340Km/h以上に達した。
このW125は、ターボ・マシン登場以前の1970年代後半まで
史上最強・最速のレーシング・カーとしての栄誉を保ち続けた。

メカニックの写真後方、1934-1935年にかけて10台が製造されたW25。
メルセデス・ベンツ製レーシングカーの代名詞「シルバー・アロー」の
由来となったレーシング・カーである。

メルセデス・ベンツの代名詞シルバー・アローは、
1934年のニュルブルクリンクでマシンの規定重量1kgオーバーを
軽くするため白い塗装を剥がしアルミむき出しのままで参戦したのが
シルバー・アロー(銀の矢)の始まりと伝えられている。

その後ライバルのアウトウニオンも銀色を使う様になったため、
アウトウニオンは「シルバー・フィッシュ(銀の魚)」と呼んで区別する。
因にアウトウニオンは現在のアウディである。

...

No comments:

Post a Comment