2011/10/05

田舎道で、少年が待っている・・・


まだキャンバスのままイーゼルの上で乾燥中だが、
今年のポスターの原画が出来上がった。

高野山で開催されるヴェトロモンターニャは、
今年で20周年を迎える。
こんなに続いているクラシックカーイベントは、
日本では他に存在しない。
商業主義と権威主義に毒されているこの世界で、
高野山町の理解と関係者の献身的な努力に共感して、
70台の純粋なクラシックカー愛好家が集まり
開催し続けた賜物である。

25年前、淡路島で開かれていたタルガ・フロリオ。
燃料ポンプの不調を直すため僕が道端にクルマを止め、
キャブの接続パイプからガソリンを吸っていた時、
MGドライバーが「手伝いましょうか?」と声を掛けてくれた。
それが縁で親しくなった和歌山の歯科医0先生。
そのO先生が情熱的に企画したマウンテン・レジェンド。
それが発展して高野山ヴェトロモンターニャになった。
マウンテン・レジェンドは3回開催されたから、
もう23年間もポスターを描き続けている。

今年の絵には、これまでの想いを一杯込めたかった。
でも、それはあまりにも多過ぎて無理だ。
ただ、このイベントを目立たずに支えている某氏のクルマを、
ある願いを込めてソッと配置した。

数年前、名も知らない少年を彼がクルマに乗せて以来、
毎年、その少年は彼のクルマを田舎道で待ち続けていると言う。
彼を慕い、クラシックカーに憧れる田舎の少年との約束。
彼は奥様との同乗を止め、一人で参加し今年も少年の姿を探す。

田舎の村役場の前や電柱にポスターが貼られた時、
少年が待っているクルマが描かれていることに気付いて、
少年が喜べば、僕も嬉しいのだが・・・

...

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