



太宰治の小説「富嶽百景 」の有名な一文に出てくる月見草は、
「大待宵草」のことではないかと言われている。
月が出る頃に咲き月が沈むとしぼむ一夜だけの花「月見草」は、
白い花びらが開き翌朝は花びらがピンクになりしぼむ。
大待宵草は月見草より草丈が高く150センチほど一直線に伸び、
日中はしぼみ宵を待つかの様に黄色い花を大きく開く。
早朝の大待宵草の美しさには見入ってしまう。
この大待宵草が僕の山小屋の側で野菊と共に群生している。
このままソッと咲いていて欲しいと願っているが
龍安寺の様な庭が好きな無粋な人達に刈取られてしまうだろう。
電動草刈機をブンブン回してウルサく腹立たしい。
声を出さずに僕は叫ぶ「・・・・め!」と。
「朝顔に つるべとられて もらい水」
と俳句に詠った風流は日本から消えてしまった・・・
この小屋は富嶽百景が書かれた御坂峠の天下茶屋と
富士山との中間に位置する。
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