
古いパンフレットに使った挿絵から
遠ざかる小さな赤いテールランプ
それは別れを惜しむかのように儚く哀しい
星屑のまばたきのように
黒い闇に吸い込まれ消えていく・・・
鹿や野兎が深い眠りに付くと
黒い森が呼ぶ声が僕には聞こえる
冷たく漂う空気を切り裂く
エクゾーストノートに驚いた鳥たちが
奇声を上げて小枝を揺らし
野兎の眼が草むらに光る
ヘッドライトに山道が白く浮かび
ブラインドコーナーが黒く迫って
旧式なサスペンションの挙動に
細いタイヤは悲鳴を上げて流れ出し
心地良い横Gに僕は酔う
ダッシュボードに取付けた
ストップウオッチの針を見つめながら
昔とのタイム差に今を知る・・・
...
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