2010/04/24

漂う霞みの様に


昨夜の雪が残る庭に群生する冨士桜
30メートルもの赤松や唐松の根元に
ひっそりと白い花を咲かせるから
カスミが漂っている様に見える

冨士山麓の春を告げる冨士桜
火山灰に覆われた痩せた土壌と寒さで
大きな木には育たない山桜
花弁が富士山の姿の様に下向きに咲くから
冨士桜と呼ばれるそうだ

今ではこの辺りの名物として各所に植樹され
電車の駅では夜の照明までされて
花見客の酒の肴にされているのが哀しい

本当の冨士桜の美しさ
それは極寒に耐えながらもなお
大木の木陰で淋しく花を咲かせる
儚さにあるのだが・・・


...

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