2010/04/06

コリーヌが残した絵

 
Corine-Isabelle Lescopの想い出
パリ美大油絵科とソルボンヌ大で美術史を収めた
コリーヌ・レスコップを僕はココと呼んでいた
ココはパリの東洋外大で日本語も学んでいたから
三越ギャラリーで個展を開くなど
東京で2年間ほど絵を描いて暮らしていた

始めて訪れた原宿のアパート兼アトリエ
当時の原宿には戦後間も無く建てられた
入口ドアを開けると流し台がある様な
木造の安アパートが数多く残されていたが
それがココのアトリエだった

パリジェンヌだと勢い込んで持参した
薔薇の花束が場違いだと言わんばかりに
木造の階段はミシミシ音を立てた

表参道で別れた最後の時を今も想い出す
ココは季節外れの芥子色のワンピースを着ていた
何故そんな寒そうな服なの?と聞く僕に
始めて会った時僕に褒められた洋服だから と
恥ずかしそうにココは答えた・・・


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