2010/04/11

キャンドルが揺れる時


白い壁に差し込む光が
ボナールが描く絵のように
部屋を明るく暖めて
研ぎ澄まされた感性が生み出す
洗練が漂っていた

なんと言う美しい空間
そして

森の冷気が辺りを黒く包むころ
ドビッシーの月の光が
大きなパンチグラスに浮かべた
小さなキャンドルたちを
かすかに揺らし
庭で摘んだ薄紫のラベンダーを
無雑作に飾った食卓で
グリルドチキンを頂いた
そんなディナーは久しぶりだった

なんと言う優しい時間
そして

僕ははしゃぎ過ぎたようだ
それは あまりにも夢見た世界の
突然の具現に戸惑い
もう二度と訪れはしない一時だと
悟ったからかも知れない
・・・・


...

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