2013/10/10

男の服飾は、流行に左右されてはならない。James Lock, Borsalino, Dobbsの違い。    



撮影用に厚紙を丸め鼻を付けて顔を作った。
クリースとフロントピンチを大きく深く凹ませ、
ブリム前後を下げる被り方が私の好み。
新しい帽子のブリムをヤカンの湯気で成形し直すのが楽しみ。

但し、スーツを着た時は絶対に帽子は被らない。
仮装行列の様で滑稽になるから。

写真上から

1676年創業、世界最古の英国の帽子
 James Lockの”CHELSEA"
説明の必要も無い有名なイタリアの帽子
 Borsalinoの"VERDY"
アメリカを代表するハリウッド的な帽子
 Dobbsの"SAVOY"

男の服飾は、女性を引立てる脇役として存在する。
だから、流行に左右されず目立たない細部のディテールに
凝るのが男の服飾の在り方である。

上の写真、興味が無い人には違いが解ら無いだろうが、
クリックし拡大して微妙な違いを見て欲しい。
クラウン形状、ブリム巾、リボン巾、フェルトの硬さなど
それぞれが大きく違っているのが解る。

帽子を被りたいと思いアメリカとイギリスの帽子店を
ネットで研究し、始めて購入したのは、
オハイオ州にある"MIke the Hatter"のサボイだった。
クラシックなシェイプでリボン巾が太く、
ブリム先端を折り返した「折りべり」と凝った仕様、
サボイの名に相応しい華やかさがあった。

いろいろと私に合うフェドラが解って来た頃、
創業100年を誇るコネチカット州”DelMonico Hatter"に、
Bolsallinoのブリムの広いヴェルディを注文した。
エール大学の側に店舗がある事に興味を感じたからだ。
しかし、在庫が無いからと数ヶ月後に届いた。



早く欲しいから他の店で買おうと探し見付けたのが、
NY ブルックリンの"Bencraft Hatters"。
メールで日本に届けて呉れるかと問い合わせたら、
アメリカ的に「ハ~イ、ケイジ。オーケイだよ」と
すぐにフランクな返事が来た。
結局、黒いヴェルディはダブって2個になったが、
以来、この店で各モデルの色違い等を購入している。
アメリカの帽子屋の良い点は、
帽子に合った羽飾りを数種サービスで付けて
ポータブルのハードケースに入って届く事だ。

始めてロンドンのジェームスロックから
帽子が届いた時は、偉い人間になった様で嬉しかった。
しかし、現在はネットでフランス語と日本語が表示される。
何だか、有り難みが無くなってしまった。
帽子だけでは無くスカーフまで購入しているが、
その丁重な対応は、さすが400年の歴史を感じさせる。
英国的な"Chelsea"が好きで色違いを用意しているが、
カッチリと硬い古典的な造りなので
ボルサリーノの様に風でブリムが波打つ事も無く、
私の引立て役を目立たず果たしてくれる。

FOUNDED 1676




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