2010/08/08

渋滞情報に思う


交通渋滞のニュースを聞くと想い出す
長男ゆえに関西の実家に帰る義務があったから
昔からお盆とお正月は大嫌いだった
渋滞に巻込まれるとオーバーヒートしたり
ギアボックスが熱を持ってシフトし難くなる様な
スポーツカーにしか乗らなかったから

まだ東名高速道も無かった時代
深夜の国道一号線の箱根峠や鈴鹿峠は
長距離トラックが延々と埋め尽くしていた
オーバーヒートを冷ます為に逆走したり
少しでも冷やそうと真夏にヒーターを入れたり
カブッたプラグを路肩に止めて掃除したり
車は楽をする為の快適な乗り物では無く
冒険とオシャレを楽しむ玩具だった
コルベットを駆って大陸横断する若者の物語
アメリカのTVドラマ”Route 66”の主人公を
僕は気取って何百回となく往復した

当時の国道一号線は東海道五十三次の
浮世絵そのままの様な狭く荒れた道路で
定期便のトラックしか走っていなかった
浜松の狭い旅館街などを通過する時は
大型トラックが屋根に接触して
瓦を落とすのなど当たり前の事だった

関東で造られ関西に陸送するトラックは
車室も無いベア・シャシーのままで
むき出しのドライバーは寒さを防ぐために
身体にムシロを巻き付けて走っていたが
彼らの報酬は高額だった

まだオートマやエアコンなど無く
国道一号線でも未舗装の道路が残っていて
タイヤのパンクなど日常的だった
車は貴重品で「自家用車」と呼んだ
そんな時代の話である
...

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