2010/07/25

まだ脚は届いていない




夏が来ると瀬戸内の海を想い出す
海育ちの僕は高校のボート部に入り
ナックルフォアのバウを漕いでいた
その高校はボートの伝統校だったのに
全国で準優勝しか出来なかった
何事も一番じゃなければ無意味だと
悔しい経験から学んだ

その当時オックスフォード大学と
ケンブリッジ大学のクルーが来日し
日本の各大学との親善試合が開催された
英国の大男達の逞しい迫力は
オアーズマンとしての紳士のあるべき姿を教え
まだ戦後の食料事情の悪さから
貧弱だった日本の学生達に奮起を促していると
高校生の僕も打ちのめされた

記念にと帰国時に京大艇庫に残された
競技で彼らが使用したボートの
スライド・シートのストロークは
日本選手の脚が届かないほど長かった

あれから半世紀
日本は物質的に豊かになったが
まだ精神や文化の面で
我々の脚は届いていない


下の写真は艇庫の前で向かって右端が僕
...

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