2010/03/01

Black Coat


Keiji / 20M


       黒いコート

       波が冬を唄っている海辺のレストラン
       黒いコートから伸びる君の華奢な手をはなし
       ドアノブをまわす僕の手がふるえる

       誰も居ない窓辺のテーブルに君が浮びあがり
       この浜で今朝上がった平目のムニエルをとシェフが奨める
       君の瞳を見つめ僕は語りつづける
                 
       ワイングラスが夜空の星のようにまばたき
       蝋燭の炎が君の瞳の中で揺れるとき
                  
       この心を 僕はどこに置こう



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