2013/06/26

シェフィールド、ジョセフ ロジャースの喫煙ナイフ


現在使っている安価だが機能抜群のコンパニオン。
それまで代用していた単4乾電池と料理エスカルゴ用の銀フォーク。


コンパニオンと呼ばれるパイプ喫煙に必要な道具。
通常はタンパー、ピック、ナイフスプーンで構成されている。
特に火種をコントロールするタンパーは必需品。
機能的に優れた安価なモノから、高価で工芸品的なモノまで
無数に売られているが、私の好きなモノが無い。
最初の頃、私は大きさが程良い単4乾電池で代用した程だから、
機能すれば何でも良い道具でもある。

しかし、こんな道具に拘るのもパイプ喫煙の楽しさ。
愛着が持てるモノが欲しいと探していたが、
英国の名門ジョセフ・ロジャース製の喫煙ナイフを見付けた。
有名なシェーフィールド製である。
間も無くイギリスから富士山麓に届けられる。


1:Rodgers Smokers Knife   £ 9.12
  軽く薄くモダンなデザイン。赤・紺・黒・銀が選べる。
  わずか約 £9(1300円程度)+送料 £4(600円)。
 
2:Joseph Rodgers Gentleman's Pipe Smokers Knife £ 39.95
  いかにも英国風の雰囲気を持つ重厚なナイフ。
  ハンドル素材:バッファローや牡鹿の角・ローズウッド、
  マルチウッド・ブラックウッドなどが選べる。
  約 £40(6000円程度)+送料 £4(600円)
  
この安価なナイフ一本だけを英国から送って貰うのは、
ショップに失礼だから同じモノを色違いで2個注文した。
重厚なナイフの方は一本で許して貰ったが、
英国の2カ所のショップの対応は、実に丁重だった。


創業1684年!英国の老舗ジョセフ・ロジャースは、
ドイツのゾーリンゲン、日本の関、英国のシェーフィールド、
世界三大刃物生産地シェーフィールドの代表ブランド。
1821年に英国王室御用達の認可を受けて、
国王陛下の刃物業者とナイフに刻印される。
商標は「輝く星」と、誇り高い「マルチーズ・クロス」。

ジョセフ・ロジャース製のポケット・ナイフは、
品の良い独特の形状で世界中で愛されている。
このナイフに刻印されているトレードマークの
星とマルチーズ・クロスが持つ興味深い由来を知ると
この道具への愛着が一段と増す。
日本での呼び名の通り、
私の大事なコンパニオンになるだろう。


写真は映画 “Kingdom of Heaven"より

ロジャースの商標に入る星とマルチーズ・クロス


マルチーズ・クロスについて:

マルチーズ・クロスは防護のシンボルであり名誉のマーク。
12世紀頃、十字軍が聖地奪還を目指して戦った時、
サラセン軍が投げる大量の液体による炎の攻撃にさらされた。
衣服は濡らされた後、激しく燃えるタイマツが投げられて、
多くの騎士達が火炎に苦しみ命を落とした。
苛酷な炎の攻撃の中で仲間を救う為に自らの危険を顧みず
消火活動に当たった騎士達の一団がいた。
この勇敢な騎士団を生き残った騎士達は後々まで語り伝えた。

この英雄的な騎士団は地中海のマルタ島に渡り住んだ。
以来、名誉ある十字マークはマルチーズ・クロスと呼ばれ、
防護のシンボルとして、現代の消防士にも受継がれている。
マルチーズ・クロスのバッジを授かった消防士は、
自らの命に代えてあなたを守る、と言う名誉を表している。

この悲しい聖戦の歴史は中世から現代まで続いている。
ただ、悲惨な戦いの中でも両軍に存在する人間の崇高な行動。
それが私には救いである。

*犬種名マルチーズは、マルタ島で生まれたから。


2 comments:

mizuno masao said...

Keiji 様

事務所の駐車場の上の巣から、
昨日、ツバメが2羽、巣立ちました。
去年は、近所の猫かカラスに、巣を荒らされて駄目になった事もあって、何とかと祈っておりましたから、とても嬉しい気持ちです。
関係の無い話で、ごめんなさい。miz

pepekeiji said...

Mizuno Masao 様

巣立ちましたか、良かった!
嬉しいですね〜 そして、きっと来年、帰って来るでしょう。

正しい歴史認識や正論が、
感情的な風潮や、数の勢いにより圧迫されてしまう。
そんな現在の社会環境を憂いています。

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