2013/06/12

頬を過ぎる夏の風は何処へ行ってしまうのだろう





35年も昔の逗子、鎌倉、茅ヶ崎の海。
若い頃を想い出しながら、昔描いた海の絵と詩を・・・

君の瞳はボール遊びをねだる子犬のようで素敵だね。
すっかり僕は魅了されてしまったよ。

白いドレスと首飾りが無造作な髪に映えて素敵だね。
すっかり僕は虜になってしまったよ。

 波の音が唄っている海辺のレストラン
 白いワンピースから伸びる君の華奢な脚を感じながら
 磨かれた真鍮のドアノブを回す手が震える
 誰も居ない窓辺のテーブルに君が浮かび上がり
 この海で今朝上がった平目のムニエルをとシェフが奨める
 僕は君の瞳を飽きずに眺め、そして語りかける
 ワイングラスが夜空の星屑の瞬きの様に輝き
 ロウソクの炎が君の瞳の中で揺れるとき
 乱れる心を僕は何処に置こう・・・


甘酸っぱい夏の風が頬をくすぐると
今も 想いだしてしまうんだ
白いドレスの君と湘南の波の音を

頬を過ぎる夏の風は
どこへ行ってしまうのだろう

もう帰っては来ないと解っていても
今も 想いだしてしまうんだ
子犬のような君の瞳と無造作な髪を

頬を過ぎる夏の風は
どこへ行ってしまうのだろう

そっと手を取って歩いた湘南の海
あの 息苦しいような胸の高鳴りは
若い胸にのみ許される鼓動なのだろうか

頬を過ぎる夏の風は
どこへ行ってしまったのだろう




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