2013/04/18

生命ばかりが長く 希望ばかりが大きい



パイプ喫煙を始めて78日が過ぎた。
朝起きて夜寝るまでパイプ・タバコを吸い続けていた。
煙にしたタバコの量を空缶で計算すると約2000グラム。
多分、通常の喫煙者の2倍近くを煙にしてしまった。
しかし、パイプに付いてタバコの葉に付いて、
工芸品としてのパイプの美学、喫煙の文化史など、
研究論文が書けるほど集中して学んだ。

写真を写しながら、つくづくと反省した。
これらタバコ缶に加え買込んだ数本の高価なパイプ。
当分は粗食に耐えて煙だけで生きなければ・・・

大正8年(1919)東京有楽座で上演された
メリメ原作「カルメン」の劇中歌(歌詞は6番まである)
作詞 北原白秋 作曲 中山晋平

「煙草のめのめ」 詩 北原白秋

  煙草のめのめ、空までけむせ
  どうせ、この世は癪のたね
  煙よ、煙よ、ただ煙(けぶり)
  一切合切、みな煙

  煙草のめのめ、あの世も煙れ
  どうせ、昔はかえりゃせぬ
  煙よ、煙よ、ただ煙
  一切合切、みな煙

この虚無的な白秋の詩で、私は想い出す。
多分、原詩よりも良いのではと思う堀口大学の訳詞。
アポリネールの「ミラボー橋」
私の学生時代の文学好きは暗唱したほど有名な詩である。

「ミラボー橋」 (好きな一節)

  流れる水のように恋もまた死んでいく
  恋もまた死んでゆく
  生命ばかりが長く
  希望ばかりが大きい

  日も暮れよ、鐘も鳴れ
  月日は流れ、わたしは残る





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