2013/01/14

簾を掲げて香炉峰の雪を見る。



やっと昨夜からの大雪はやんだ様だ。
50センチほど積もったから、
愛犬ぺぺは雪の中でオシッコが出来ず廊下で漏らした。
雪の日は暖かく静かで好きだ。
大木の枝に積もった雪が屋根に落ち、
大音響を上げている。

新雪を崩すには偲び難いから、
何処にも出掛けられず窓から雪を眺めて、
高校の時、漢文で習った有名な漢詩、
唐の詩人「白居易」の「香炉峰の雪」を呟く。

  日高睡足猶慵起
  小閣重衾不怕寒
  遺愛寺鐘欹枕聽
  香爐峰雪撥簾看
  匡廬便是逃名地
  司馬仍爲送老官
  心泰身寧是歸處
  故郷何獨在長安

日は高く上り、睡眠は十分だが、まだ起きるのが億劫だ。
小さな家だが布団を重ねているので寒さは気にならない。
遺愛寺の鐘は枕を傾けて聞き、香爐峰の雪を簾を掲げて眺める。
匡廬こそは、功名心や名誉欲とは無縁でいられる地である。
司馬は老後を送る場所としては十分である。
心も身も安らかな所こそ、私が帰るべき場所。
故郷が長安の都で無くても良いではないか。

と言った様な意味だが、僕は身に詰まされる。

僕の高校時代は漢文が難しく苦労したが、
今の高校では「漢文」の授業はないのだろうか?
中国の歴史を知ると『支那』なんて馬鹿にする人が馬鹿に思える。
この詩が書かれた時代は中国の中唐(8世紀)。
日本は遣唐使を送って全てを猿真似していた時代である。
経済高度成長により日本人は自惚れが過ぎる様だ。

3 comments:

Anonymous said...

鍋島です

大兄 お久しぶりです。

いつも心しみるブログ拝読させて頂いております。
男たる物不条理と不可能を背負う物ですね。
戦後の南米で家族を伴い日本の復興の為に危険な南米に行った士官学校卒業の父を尊敬しております。日本語も話せないが日本魂を持って帰国した時は幼いながら憂いを覚えました。
今晩はCuaba Generosos を ベラフオンテの1959年のカーネギーホールのライブを友に過ごしました。
ベラフオンテ、黒人で始めてカーネギホールでのライブです。
葉巻は酷評と評価が分かれます。恐ろしくブランデーには合わないですが厳寒のシングルモルトに私は合うと思います。
ボックスの緑の葉畑、
ベラフオンテの曲と相まって心いやされました。
http://www.youtube.com/watch?v=6iLiwycXQoA
All my trials lord soon the over too late my brother but never mind.
厳寒は堪えるが心は熱い。

鍋島

pepekeiji said...

鍋島 様

お久しぶりです。コメント、とても嬉しく拝読いたしました。
クアバ・ ヘネロソス!とてもマイルドで旨いと聞き、
以前から興味を感じていました。
「極寒のシングルモルトに・・・」。試してみます。

ベラフォンテ、懐かしいですね〜
彼が唄う"All My Trials"は始めて聞きましたが心に滲みました。
この”All My Trials"の歌詞、今の僕には身に詰まされます。
そして、さり気ない貴方の暖かいお気遣いを有難く感じました。

このブログで、貴方のコメントをモチーフにさせて頂き、
お礼の気持ちを伝えたく思います。


Anonymous said...

Keiji様

有難う御座います、ブログ拝見させて頂きました。
私の拙いコメントから文意を拾いあげて頂き嬉しいです。英文のブログでも取り上げて頂き光栄です。
大兄の洞察力、知識の広さそして何より謙虚さと行動力にはいつも感服させられます。


また、コメントさせて頂きます。
クアバ ヘネロソ 何故か冬になると吸いたくなります。

鍋島

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