2012/08/22

黒い森を彷徨う白い老オオカミ。No.3


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カメラは何をお使いですか?と聞かれる事が多い。
ブログの写真は全て古いキャノンの安物 IXYの最低機種だ。
現役時代は輸入車関連の広告代理制作が専門だったから、
その頃の経験を生かしIXYをマニュアルにし感度を下げて、
三脚と自動シャッターを使って写している。
大いなる不満は僕自身がモデルを努めていることだ。アハハ。
10秒の間にポーズしなければならないから滑稽な遊び、
走りの流し撮りなどは不可能なのだ。

安物デジカメの欠点は測光方法と焦点深度が設定出来ないこと。
でも、それを逆に利用すれば良い効果も得られる。
レンズだってフイルム時代の最高性能レンズに匹敵するし、
ASA感度、絞り、ズーミングなど安物カメラでも設定出来る。
現役時代の仰々しい装備や交換レンズ群は何だったのだ。
タバコの箱と同じ大きさでポケットに入るのだから・・・

写真なんて人間なら誰だって写せる簡単な事。
だから、何をどの様に写すか、視点と感覚がポイントとなる。
さる著名な写真家はファッション誌の写真を、
私でも写せますのCMで有名なハーフサイズカメラを使っていた。
操作が簡単で無ければシャッターチャンスを逃すからだ。
絵を描く気持ちで構図や光りの陰影を計算すれば、
安物のデジタルカメラだって素晴らしい写真が撮れる。

終戦後、カメラとメガネが海外で日本人の象徴だった。
カメラ好き民族なのは今も変わっていない。
高級な外国製カメラを所有して得意げな愛好家や、
レンズの解像度に付いて講釈を述べる様なマニアもいる。
しかし、良いカメラと良い写真とは次元が違う。

携帯電話も含めると日本人全員がカメラを持つ異常社会。

さる一流レストランのシェフが嘆いていた。
料理は私たちが創作した芸術だから版権を要求したいと。
食事の前に、まず料理を撮影する客が多いと言う。
そんな楽しみ方しか出来ない無粋な相手とのディナーなんて、
100年の恋も醒めてしまう。

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4 comments:

mizuno masao said...

keiji 様
一連のWOWシリーズ:写真も素晴らしい。モデルも!
ここにコメントされているように、撮る人の感性次第で、何とでもなるのですね(小生には無理ですが、、、)。ついカメラのせいにしてしまう自分が情け無いです。
ありがとうございます。mizuno

pepekeiji said...

MIZUNO 様

クルマにも同じコトが言えますね。
フェラーリに乗っている人が必ずしも速く無い様に。
雑誌から得た情報だけでカーマニアを気取りる人が多過ぎます。
各メーカーが雑誌をコントロールしている事も知らずに・・・。
原発問題と同じ構造、憂いを禁じ得ません。




灸太郎くん said...

道具と使いこなし、本当に別に次元の話ですね。

モノが好きで手に入れたい気持ちはもっともですが、
明らかに使いこなせていないとなると、あまり格好のいいものではありませんね。クルマもカメラも。

わたしは写真の知識が少ないのですが、今のコンパクトデジカメでも使い方次第でKeijiさんの写真のようなこともできるのですね。いいことを教わりました。ありがとうございました。

pepekeiji said...

灸太郎くんサン

昔のフェラーリはクラッチやハンドルが重く、
訓練された男のドライバーでなければ運転出来ませんでした。
でも今は500HP以上の高性能車を
婦女子でも簡単にハイヒールで運転出来る時代です。
道具が進化し誰にでも使える様になったからでしょう。

だから、使いこなせるかどうかよりも、
高級なモノを所有する事に価値観が移ってしまったのでしょう。
唯一、残されているのは大排気量バイク、
軟弱な男を受入れない風情と性能に格好良さを感じます。

未だに、ブランド志向が強い社会にウンザリします。

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