2012/03/28

未だクルマが趣味なんて、恥ずかしくなるが。



クルマ好きなら誰もが知っているASTON MARTIN ONE-77
生産台数が世界限定77台だからONE-77と呼ばれる
まさしくレシプロ・エンジン最後の退廃的芸術品と言えるだろう。

確かに、このONE-77は人間が持つ根源的な欲望を強く刺激する。
しかし、資本主義社会の不条理に絶望し始めた先進国で、
未だこの種のクルマの所有を望む人間など存在するのだろうか。
発展途上にある国の人を対象としているとしか思えない。
量産可能にも関わらず僅か77台と限定し低俗な虚栄心を煽る
古典的マーケティング手法にもその意図が見える。

とは言え、このクルマが持つ世紀末的退廃には魅了もされる。
特に、リアビューに宿る美しさが胸を締め付ける。
それは去り行く過去のクルマが未練に残す儚い消滅の美学。
量産されたクルマごときに、とは解っていても、
際限の無い人間の強欲に、もう僕は羞恥と絶望を感じながら・・・


Aston Martin One-77 Specifications

Chassis
Brakes       Carbon Ceramic Matrix brake technology
Wheels       20 inch alloy
Tires Front      Pirelli P Zero Corsa 255/35 ZR20
Tires Rear      Pirelli P Zero Corsa 335/30 ZR20

Drivetrain
Layout       Front Engine, RWD
Transmission    6 Speed true sequential manual with paddle shifters
Differential      LSD

Engine
Type:        V12 Vantage-derived Aston Martin V12
Induction     Naturally aspirated
Displacement   6.0 liters
Horsepower    700+ bhp

Exterior
Body Type    2 Door, 2 Seat GT Coupe
Curb Weight Approx. 1500 kg / 3307 lbs.

Performance
Acceleration 0-60 mph : Less than 3.5 seconds
Top Speed     200+ mph ( 320km/h+α )


名門でありながら低迷を続けていたアストン・マーチン。
プロドライブ社のデビッド・リチャーズやクエートの投資家達により、
かってのデヴィッド・ブラウン時代のDB以上に甦った。
その際立ったカースタイリングは現代車の中で他の追従を許さない。
やはり芸術作品は潤沢な資本力により生れる精神的な余裕が、
商業主義に勝る何よりの見本と言える。


全開のV12気筒の咆哮、コーナー進入時のシフトダウンで煽る
スロットルワークに痺れる。
ロードゴーイングカーゆえ高回転域での金属音を抑えた
古典的エキゾストノートが実にエレガントだ。



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