2012/02/22

世界に一つしかない悲しい腕時計。



時計などの商品企画をしていた知人のM氏は、
アルピーヌA110フリークだった。
僕が作ったフランスHeller社のプラモデル、
1971年モンテカルロ優勝車アルピーヌA110の
素晴らしい出来映えに感心して、
彼がジュネーブでデザインさせた腕時計の
試作品と交換して欲しいと言う。
そして交換したのが写真の腕時計である。

商業ベースでの評価やニーズにより、
デザイナーが込めた想いは商品化される事も無く
破棄されてしまう悲しい試作品だ。

1900年初頭のウオルサムを想わせる様な
装飾的な菱形の針や文字盤と古典的なケースだが、
クォーツでカレンダーと秒針が付いている。
サイズは直径27mm厚さ8mmと婦人物の様に小さい。
文字盤の文字はデザイナーのサインだが読めない。
下はジュネーブ Geneva と書かれている。
アンティークな雰囲気を醸しながら、
現代的メカニズムを融合させたロマンティシズム。
さすがヨーロッパならではの感性である。


...

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