2012/02/07

寂しい人へのラプソディー

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詩人で画家の友人が送って呉れた限定版のCD詩集。
「寂しい人へのラプソディー」
画・詩・朗読:芹沢幸子

ギターの演奏に合わせて
自身が書いた詩を朗読する新しい試みの様だ。
永くパリに住んだ彼女ならではの
繊細な感性が美しい。

窓辺に置かれた2本の洋酒の瓶、
都会の雑踏を寄り添って歩く人影の様に漂う。
この暗い哀愁に魅せられる。

追憶に浸る自分と夢に溺れる自分を戒め、
今日を生きようとする
横断歩道と題する詩が心に響く。


横断歩道

信号が変わるのを待つ間
ふと
昨日の顔をしている
信号が変わるのを待つ間
ふと
明日の顔をしている
しっかりと
今日の顔をしなければ


夕焼

菜の花畑を描いたら
赤いなの花畑
山を描いたら
赤い山なみ
ひとを描いたら
赤いひと
夕焼けが欲しかったのです
帰れるような


画・詩:芹沢幸子


...

2 comments:

渡辺 金二郎 said...

芹沢さんは何かに恐れ戦くような少女と併せて何ものも恐れず我が道を行く老成したような何とも言えないロマンと感性を感じさせてくれます。諦観と悲しみ更には希望も垣間見える何とも不思議なポエムではあります。他の作品も是非ませてください。

pepekeiji said...

渡辺 様

コメント有り難うございます。
以前、東京・銀座の個展で芹沢さんの絵を拝見し魅了されました。
黒をベースに描かれた詩情ある世界は小さいのですが、
無限に広がって行く「想い」の様な大きさを感じました。

ポエムも、何気ない日常の細やかな感情なのに、
リズミカルに表現されたフレーズから
膨らんで行く想いが膨らんで何度も呟いてしまいます。

お感じになった事がございましたら、
ご遠慮なくコメントして頂ければ幸いです。

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