2010/08/18

夏の日の香り



暑い夏の日は想い出す
それは揺れる母の扇子の香り

田舎の母が逝った時
いつも鏡台に置かれていた
翡翠色の小さな香水の瓶
ジャンパトー1000
形見にと僕はポケットに
そっと忍ばせた

着道楽だった母が
両面が同じ模様だと自慢し
いつも強く絞めた帯に差していたので
僅かに反っていた扇子
着物を着る人なら解る女の粋

和歌と書を愛した母が
落款を押し表装までしたのに
僕が欲しいと言うと
これは良く無いと照れた書は
この松林の小屋に合うと
持ち帰り飾っている

暑い夏の日は想い出す
それは揺れる母の扇子の香り
瀬戸内を渡る南風


...

4 comments:

カシニュールの妻 said...

keijiさま
晩夏の候、いかがお過ごしでしょうか??
たぶん、そちらでは、秋アカネ蜻蛉が高原に群れているのでしょうネ。
草原の松林に流れる風の匂いは、明石の海岸にある松林に流れた風の匂いとは違うのでしょうか?

こちらでは、明石の白い砂浜と青い海、松の緑の間を通る潮風に、まだ、白いつば広の帽子が似合っております。

箱根の山の松林を通る風は、もう、秋の涼を含んでいるのでしょうか??

まだまだ、残暑厳しい折、夏バテなどせぬように、ご自愛ください。

風の悪戯に泣いている女より

Keiji said...

..

親愛なるマダム・カシニュール、

明石の砂浜とは・・・てっきり地中海のそよ風に誘われて
コートダジュールにご滞在のことと思っていました。
紺色リボンを巻いた白いツバ広帽子のお美しいマダムに、
明石名物のタコはあまりにも不似合ですから。

でも、ミケーネ遺跡の出土品でタコの絵が描かれた壺など見ますと
地中海でタコは太陽の恵みのシンボルとか、
リビエラ料理、タコのマリネと黄色いトマトの「サラダ・ソレイユ」や
「パトラス風タコソースのパスタ」などを美味しく味わわれるため
あえて新鮮なタコが水揚げされる明石にご滞在なのでしょうね。

こちらでは、もう秋の涼を感じさせ登山者で溢れた富士山も荒れる季節、
雨の日が多かったためか、セミの姿を見ない夏でした。

バルバラの夫より
...

カシニュールの妻 said...

バルバラの君へ
瀬戸内の海を渡る南風と、源氏物語の「明石の上」をkeiji
さまの母君に思いを馳せ、彼の地のお邪魔しました。

決して、たこ焼きを食するためではありませんので、ご勘弁ください。(笑い)

Keiji said...

...

マダム・カシニュール

源氏物語の「明石の上」に思いを馳せての旅とは何たる風雅。
さすがマダム・カシニュール

「ほのぼのと明石の浦の朝霧に島隠れ行く舟をしぞ思う」
古今集 柿本人麻呂作

「あつあつの明石の浦のタコ焼きに島隠れ行くエコ車ぞ悲しき」
バルバラ変歌集 

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